【アルミやろうぜ】かさばるキャンバスを収納したい!アートラックをDIYしてみた。

樹脂ジョイントを使ってプラスチックハンマーで組み立てができるアルミフレーム、アルフレームを使った製品の裏話や活用方法がわかるコラム、「アルミやろうぜ!」

今回は絵を描くためのキャンバスを省スペースで保管できるアートラックを製作しました。

どうしてまたこんな特殊なものを入れる製品を作ろうと思ったのか。なぜなら筆者自身が困っているからです。

描くのはいいが、保管に困るキャンバス達

油絵などを描くために使われるキャンバス。紙と違ってある程度厚みと大きさがあるので、保管する際かさばって場所を取りがちです。学校やアトリエなどに保管できる!という場合はよいのですが、趣味で絵を描く人にとっては収納にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。筆者自宅にも趣味の影響でキャンバスが10枚ほどあり、収納場所に困っています。

床に直置きしておく事もできるのですが、キャンバスは木枠でできているので適当に置いておくと湿気や虫の危険が…(一度蜘蛛の巣になっていたのを見てしまってから恐怖)
今はとにかく自宅の壁に飾ることで床置きを回避しているのですが、自宅が毎日展覧会状態です。描けば描くほどだんだん壁も埋まっていくので、部屋が窮屈に。

じゃあ描き終わったら捨てればいいのでは?と思われるかもしれませんが、キャンバスは上から塗りつぶせばまた別の絵が描けるときもあるので、描き終わったらすぐ捨てる!という使い方が難しいのです。

収納棚があればいいのですが、収納する物が特殊過ぎて既製品ではいいものが中々見つからない…。

こんな時こそアルフレームの出番です。見つからないならちょうどいいものを作ってしまいましょう。

省スペースで保管したい!キャンバスの収納を考えてみた。

というわけで、製品を作る前にどんなものが欲しいか書き出してみました。

作りたいもの:描き終わったキャンバスを省スペースで保管できる棚

  • 省スぺ-スでキャンバスを10枚ほど入れたい。キャンバスは一枚で厚み約220mm。
  • F10サイズ(530×455mm)のキャンバスが入るものにしたい。
  • F0(180×140mm)くらいの小さなキャンバスも一緒に入れたい。
    サイズが違うものを一緒に入れられる形にしたい。
  • プロ向け、学校向けではなく趣味の個人向けに作る。
  • 掃除しやすいようにキャスターつけたい。

自宅で使うので省スペースで収納できることを優先的に考えます。また、キャンバスといっても様々なサイズの物を所持しているので、「小さいものは入るが大きいものだと棚から大きくはみ出る」「大きいものは入るが小さいものだと棚の隙間から落ちてしまう」といったことがないような形にしたいと思います。

今回は製品の形を考える際に、工場で使われているパネル台車を参考にしました。

自社の製造現場で使用するパネルを置いたり移動させるための台車です。パネルを切った際の端材を入れたり、写真にもあるようにかなり大きいサイズのパネルを入れたりすることもできます。

今回は当然ここまでの大きさと頑丈さは必要ないのですが、すこし厚みのある板材をいろんなサイズ収納できるという点が似ており欲しいもののイメージに近かったため、有り難く参考にさせていただきました。

最終的に作った形がこちらです。

F10という規格サイズ(530×455mm)のキャンバスがちょうど入る高さと奥行きで形を作り、できるだけ小さなスペースで収納できるようにしました。このサイズに合わせたのは、自宅で収納したいキャンバスで一番大きなものがこのサイズだからです。小さなキャンバスを入れても落ちないように底面・背面・側面はパネルを入れています。

足元にキャスターも取り付けたので掃除したいときや場所を移動させたいときも簡単に移動可能です。

アルフレームであれば、ネジ止めが必要なブラケット等を使用せず、プラスチックハンマーでフレームとジョイントを連結させるだけでこのような形を作ることができます。

製品の組み立て方

ではここからは製品の組み立て方について簡単にご紹介します。

組み立て方はYoutubeでも紹介中!

使用した部材

フレームは16mmのAシリーズを使用。3mmのパネルを挟み込んで製品を作るため、A-6やA-9等パネルを挟み込むリブがついているタイプのフレームを使用しています。

そのほかジョイントとパネル、底面につけるキャスターと補強用の金物を使用しました。

16mmアルフレームについての詳細はこちら

底面の組立

まずはラックの底面を組み立てます。

フレームの端にジョイントをプラスチックハンマーを使って打ち込みます。

フレームのリブの向きと、最後にキャスターを取り付ける、ジョイントの穴加工の向きに注意しながら組み立てます。

ジョイントの穴はネジ山が切られているのでキャスターやアジャスターを取り付け出来ます

反対側にも同じようにジョイントを打ち込みます。

すべて打ち込み終わったらそのジョイントにフレームをさらに連結します。

この時もリブの向きを間違えると後でパネルが入らなくなるので、組み立てる前には一度フレームを並べて確認しておくのがおすすめです。

組み立て後の形に合わせて並べ、リブの向きなどを確認します。

コの字に組めたらパネルをフレームのリブ部分に差し込みます。

そのあと蓋をするようにフレームを連結して底面は完成です。

天面の組立

天面も同じようにジョイントでつないで組み立てます。

側面、背面の組立

底面と天面が組めたら、棚の形になるように組み上げます。まず底面の四隅にフレームをそれぞれ連結します。

支柱が連結出来たら、側面、背面のパネルを差し込みます

最後に天面で蓋をします。

このとき、天面側についているリブにパネルが入るよう手で押さえながら少しずつプラハンで叩きます。

一か所だけ偏って叩いてしまうとリブにパネルがうまく入らないときがあります。

これで本体が組み立てられました。

補強金物、キャスターの取り付け

次に天面の角に補強金物を取り付けます。中に入れるものが左右どちらかにもたれてしまうときに、側面が広がってしまうのを防ぎます。

今回は下穴が開いているフレームの上に金物を載せてドリルビスで固定しています。ドリルビスでジョイントに穴を開けながら締めつけるので、プラスドライバーを使う場合は力を入れながらゆっくり回します。

もちろんインパクトドライバーなどでも固定可能です。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

最後にラックを裏返し、キャスターを脚に取り付けて完成です!

実際にキャンバスを入れてみた

早速使用感を確かめるため、自宅にあるキャンバスを数枚入れてみました。

写真に写っているラックの左側にある一番大きなキャンバスがF10サイズです。他のサイズのキャンバスもまとめて収納できました。小さいサイズならラックの奥行きがある分、奥と手前にわけて入れる事も出来そうです。

これがあれば壁が絵で埋まる心配もなくなります。スッキリ収納してこれからも新しい絵を描き続けたいですね🖼️

製品に使用したフレームの詳細は、以下のボタンよりご覧いただけます。

上記以外にもご要望に合わせて様々な仕様をご提案することが可能です。
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