【アルミやろうぜ】意外といいが音鳴るのでアルミフレームでドアチャイムを作ってみた

アルミやろうぜ

アルフレームでドアチャイムを作ってみた

プラスチックハンマー1本で簡単に組み立てできるアルミフレーム、アルフレームを使った製品の裏話や活用方法がわかるコラム、「アルミやろうぜ!」

…と今書いたのですが、今回はそのプラスチックハンマー1本さえ使いません。アルフレームとテグスだけで今回はドアチャイムを作ってしまいました。ジョイントでフレームをつないで骨組みを組み立て、テーブルや棚を作るのが得意な部材のはずなのに、なぜドアチャイム?

意外といい音が鳴るんじゃ…から始まったアイデア

アルフレームを使って何か新しい製品を作れないかと悩んでいた時、突拍子のないものでもいいから何かネタを出そうとなんでもかんでもメモしていた内の一つがドアチャイムです。ネタを思いついたきっかけは弊社工場の音とフレームの形状。工場でフレームを切る作業中、切った後の端材を箱に入れるのですが、箱の中のフレームどうしがぶつかって、カーンといい音がするときがありました。さらにアルフレームの中空でまっすぐな形状を見て筆者が思いついたのは

ドアにつけるチャイムみたいにフレーム同士を吊るして当てたらいい音鳴るんじゃないか

という、本当に突拍子のないアイデアでした。

ただ、フレームを切っただけの物を使うと端面でケガをしそうで危ないし、第一どうやって吊るす?難しいだろう…と思っていたのですが、逆にこういった点さえクリアできれば形は作れます。“なんか…飾るやつ”のような抽象的すぎる思い付きメモよりよっぽどです。

フレームの端面は研磨すれば角を丸くすることはできますし、吊るし方も既製品などを参考にすれば作れそうです。

試しに適当な端材のフレームに穴をあけ、持っていたテグスを通して手で持ち、フレーム同士をぶつけてみると、「カーンッ」と思っていたよりいい音が鳴りました。頭の中だけで考えていた思い付きが、できそうな予感がしてきました。

これまで「おもしろそう」というだけで製品を作ることはほとんどなかったのですが、今回はせっかくなのでこれをアイデアとしてドアチャイムを作ってみることにしました。

フレームはジョイントではなくテグスでつなぐ

ドアチャイムとして物を作るには、ドアの開け閉めや風の揺れでフレーム同士が動き、当たり、音が鳴る必要があります。いつもは樹脂製のジョイントでガッチリ固定しているアルフレームですが、今回はブラブラと動いてもらう必要があります。そのためテグスでフレーム同士をつないで揺らすようなものを考えました。

フレームを横に並べる、板を一枚挟んでフレームを吊る、25mmフレームの中に16mmフレームを入れてベルのように中で揺らす…といくつか音を鳴らす案を考えたのですが、今回はフレームを横に並べて吊る形式にすることにしました。

思ってたより音が鳴らない

さっそくフレームを準備して、テグスを使ってフレームをつなぎ、試しにドアにひっかけて揺らしてみます。すると音が思っていたより鳴りません。音が小さいのではなくフレーム同士がなかなかぶつからないので音が鳴らないようです。動きを観察してみると、テグスの結び方を工夫する必要があるのか?と感じました。

検索:「テグス 結び方」

試しに作ったものは、フレーム同士をテグスでつなぐときフレームに開けた貫通穴と吊るす側のフレームにつけた貫通穴にテグスを通し、輪になるように両端をまとめて結んでいました。

しかし、この結び方ではフレームを二点で支えることになり安定して吊るせてしまうので、物を揺らしても振り子のように1方向にばかり揺れてしまいます。

そうじゃなくて横にもフラフラと揺れてフレームにぶつかってほしい!

ということでテグスの結び方を変えるために「テグス 結び方」でググり、フレームを一点で吊るせるような結び方を探し再チャレンジしてみました。アルミフレームがメインの製品のはずが、テグスの多種多様な結び方の知識が身に付きました。

つなぎ方で揺れが改善

ということで再チャレンジ。テグスをフレーム側で結んで、そのあと吊るす側でも結んで、フレームを吊るテグスが1本になるように結びます。すると、揺れ方が不安定になったので、色々な方向に揺れるようになり、揺らす大きさが同じくらいでもより音が鳴りやすくなりました。

作ってみる

無事音が鳴ることが分かったので決定した仕様でチャイムを作った様子をご紹介します。

まずはフレームです。今回は16mm角のAシリーズというフレームを使用しています。吊るす用のフレームを1本と、鳴らす用のフレームを長さ違いで3本用意します。長さを変えれば鳴る音の高さがちょっと変わるだろうという狙いです。

フレームを切断した後の端面は鋭利です。いつもはフレーム同士を連結するときのジョイントが端面にくるので、手が触れることはないのですが、今回はジョイントを使わずそのまま使用するため、グラインダーで角をまるめました。

フレームに開けておいた穴にテグスを通し、一度きつく結んでおきます。

同じように他の2本も結びます。テグスの片方を長く残しておき、これを吊るす側のフレームの穴に通します。

同じようにフレームの穴に通してここでもう一度結ぶことで、テグスをフレームの真上から1本だけで吊ることができます。

それぞれ同じくらいの高さになるように調整してテグスを結んで完成。長さの調整が難しいので、プラスチックハンマーもジョイントも使いませんでしたが、いつもの組み立てより難しかったです。

家のドアにつけてみる

試しに自宅に持ち帰り、ドアフックにひっかけて扉を開け閉めしてみました

ちゃんと揺れてる

カランカランとちゃんと音も鳴ります。よくあるドアチャイムよりも冷たい音が鳴るので夏場に聞くと涼しげだと思います。(気温が下がり始めた今の季節に聞くとちょっと寒いですが)

思いついた当初は、ただのネタだし形にはできないんだろうな…と思っていましたが、問題点をクリアして実際形にでき、とても楽しかったです。